中島みゆきの「糸」は29年前の曲だった!?アルバムの中の一曲が大ヒット曲になるまで

中島みゆきの「糸」という曲を知らないという人はいないのではないでしょうか?

2010年代から一気に知名度が上がり、今では数多くのアーティストがカバーするなど非常に有名な曲となりましたが、はじめは何十年も前に発表されたアルバムの中の一曲にすぎませんでした。

そんな「糸」という曲が、長い年月を経て日本を代表する一曲になるまでの歴史を紹介します。

「糸」が入ったアルバムが発売

1992年10月7日、中島みゆきの20枚目のオリジナルアルバム「EAST ASIA」が発売されました。

収録曲は、ドラマ『親愛なる者へ』の主題歌で中島みゆき初のミリオンセラーとなった「浅い眠り」や、ファンの間では不動の名曲となっている「誕生」、1989年に始まった芝居仕立てのコンサート「夜会」のメインテーマ「二隻の舟」など数々の名曲が並ぶ、人気アルバムでした。

「糸」はそんなアルバムのラストにひっそりと収録されていました。

ドラマ主題歌としてシングルカット

1998年、ドラマ『聖者の行進』の主題歌として「糸」が起用され、ダブル主題歌となった新曲の「命の別名」とともに両A面シングルとして発売されました。

しかし、当時のシングルは「命の別名」が1曲目として収録されていて、「糸」は2曲目でした。

NHKの『プロジェクトX』のプロデューサーが「命の別名」を聞いて、中島みゆきに主題歌を依頼したというエピソードからも分かるように、この時点でも「糸」に対する注目度はそれほど高くありませんでした。

カバーをきっかけに再注目された「糸」

それほど人気でもなかった「糸」が注目されるようになったきっかけが、BankBandによるカバーでした。

2004年発売のカバーアルバム「沿志奏逢」に収録されたことで、中島みゆきファンだけでなく、広く社会に認知されるようになりました。

その後も大物アーティストがこぞってカバーし、飛躍的に認知度を上げ、カーバー曲の代表的な存在にまでなりました。

最近では福山雅治やEXILEのATSUSHIなどもカバーし、2014年の紅白歌合戦ではクリス・ハートが「糸」を歌いました。

超ロングヒットで100万ダウンロード達成!

そして最初に「糸」が世に出てから26がたった2018年3月、日本レコード協会が100万ダウンロードを超えたとしてミリオン認定しました。

はじめはアルバムの中の一曲にすぎなかった「糸」が、長い年月を経て多くのアーティストにカバーされ、今では結婚式の定番ソングにまでなったのです。

中島みゆきが2020年に行ったコンサート・ツアー『結果オーライ』では、実に13年ぶりに「糸」が披露され話題となりました。しかし、新型コロナウイルスの影響により途中で中止となり、ライブDVDなどが発売されることもなく幻となってしまいました。

いつかまたコンサートで「糸」が聴ける日が来ることを信じて待つしかありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です